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小児科関連の病気

Pediatric illness

小児科関連の病気|ふじもとクリニック|大阪茨木市|アレルギー科・小児科・予防接種

熱性けいれん

こどもの写真

熱性けいれんとは、生後6ヶ月~5歳頃のこどもが発熱に伴ってけいれんや意識障害を引き起こす病気です。
一般的には38度以上の発熱時に急激に体温が上昇するときに起こり、約50%のこどもに繰り返し起こりますが、成長していくに伴い、6歳くらいでほとんど見られなくなります。
日本では約7〜11%のこどもが発症すると言われています。

熱性けいれんは、熱の上がり際に多く、突然意識がなくなり白目を向き、手足を震わせるパターンが多いです。ほとんどのケースでは、5分以内に自然に止まります。
熱性けいれんは2つのタイプ、「単純型熱性けいれん」と「複雑型熱性けいれん」に分けられ、違いは以下の通りです。

(1)単純型熱性けいれん(以下の3項目すべてあり)

  • 左右対称にけいれんが起きる
  • 1回が15分以内に収まる
  • けいれんを24時間以内に繰り返さない(通常1回のみ)

(2)複雑型熱性けいれん(以下の3項目で1つでもあれば)

  • 左右非対称のけいれんが起きる
  • 1回が15分以上続く
  • けいれんを24時間以内に複数回繰り返す(通常1回のみ)

特に複雑型熱性けいれんの場合、けいれんが止まった後も、抗けいれん薬(ダイアップ®座薬)の予防投与を行います。
さらに発熱の原因となった病気を調べ、その治療をすることが大切です。

鉄欠乏性貧血

体の中の鉄分が不足し赤血球中のヘモグロビンが作られなくなることによって生じます。
貧血の中では最も頻度が高い疾患で、日本の成人女性の約25%が発症しています。

小児期の鉄欠乏性貧血の原因には以下のことがあげられます。

  • 不適当な離乳食の摂取(炭水化物が多く、蛋白質が少ない)
  • 牛乳の過量摂取
  • 偏食
  • 体型を気にした過度の食事制限

鉄欠乏性貧血は、小児では無症状のことが多いですが、一般的には下記の症状がみられます。
動悸、息切れ、疲労感
異食症:氷を欲することが多く見られます。
味覚障害:舌が少しヒリつくような感覚になることがあるため
治療としては、鉄剤の内服が原則であり、数ヶ月は続ける必要があります。

川崎病

川崎病とは、ウイルスや細菌に感染したことをきっかけに、全身の血管(動脈)に炎症を引き起こす病気です。原因は不明です。
4歳以下で発症する割合が70%ほどといわれ、その中でのピークは、男児が生後6~8ヶ月、女児は生後9~11ヶ月になります。

川崎病には主要な6つの症状があり、そのうち5つ以上がみられた場合には川崎病と診断されます。ただし4つの症状しかなくても、心エコーで冠動脈瘤があれば診断できます。
ただし、実際には主要症状が揃わないことも少なくないため診断が難しい場合もあります。

主な症状

  • 5日以上続く発熱
  • 発疹
  • 眼球結膜の充血
  • 唇が赤くなる、舌がイチゴ状に赤くなる
  • 急性期の手足の腫れや回復期に指先の皮がむける
  • 急性期の首のリンパ節の腫れ

他には、BCG接種部位が赤く腫れる、関節の痛みや下痢などの症状があります。
治療としては、アスピリン内服、免疫グロブリン点滴などがあります。

小児肥満

エネルギー摂取量に対して、エネルギー消費量が少なく、体内に脂肪が過剰に蓄積された状態を一般的に肥満といわれます。
体脂肪率で男児は約25%以上、女児は11歳未満で約30%以上、11歳以上で約35%以上が肥満という状態にあります。
1970年代から約30年間に肥満傾向のこどもは約2〜3倍増加しており、おおよそ10人に1人が肥満状態にあるという状況です。
これには食生活や社会生活の欧米化が大きく関係していると言われています。

こどもの肥満判定

こどもの体格を表す指数として、カウプ指数と肥満度があります。

カウプ指数=
体重(g)÷身長(cm)÷身長(cm)×10

13未満 13~15未満 15~18未満 18~20未満 20以上
やせ やせ気味 正常 肥満気味 肥満
13未満 やせ
13~15未満 やせ気味
15~18未満 正常
18~20未満 肥満気味
20以上 肥満

肥満度(%)=
{(実測体重-標準体重)÷標準体重}×100

幼児

15%以上20%未満 20%以上30%未満 50%以上
太り気味 やや太りすぎ 太りすぎ
15%以上20%未満 太り気味
20%以上30%未満 やや太りすぎ
30%以上 太りすぎ

6~17歳

20%以上30%未満 30%以上50%未満 50%以上
軽度肥満 中等度肥満 高度肥満
20%以上30%未満 軽度肥満
30%以上50%未満 中等度肥満
50%以上 高度肥満

※年齢によって基準が変わります。
治療としては食事療法、運動療法、薬物療法があります。

自閉症

自閉スペクトラム症(ASD)は、コミュニケーションが苦手なこと、自身に強いこだわりを持つといった特徴の発達障害です。
早ければ生後1歳半の乳幼児健康診査でその可能性を指摘される場合があります。

自閉症には、コミュニケーションが苦手なことなどの特性がきわめて強いだけではなく、これらが少しでもあることによって日常に支障をきたしサポートが必要な状態まで幅広い状態があります。
こどもの約40人に1人が自閉症と診断されるともいわれており、女性より男性のほうが約2~4倍多いといわれています。

乳児早期から、視線を合わせたり身振りを真似したりなど、他者と関心を共有することができない状態が多くみられます。
友達ができにくかったり、友達がいても関係性が一方的だったり、感情の共有が苦手で、コミュニケーションをとることが難しくなります。
まだ原因は解明されていないですが、先天的脳機能の異常によるものと考えられています。
胎内環境や周産期のトラブルなども関係している可能性があり、育て方が原因ではありません。

有効な治療法は少ないが、幼児期早期から症状が強く出るタイプには教育的介入を行い、言語、社会、対人能力が改善することがあります。

ADHD

ADHD(注意欠如・多動症)とは、年齢に見合っていない不注意さ、思いついたことをあまり考えずにすぐ行動に移してしまう衝動性、興味のあること以外に対する集中力がなく関心や興味を示さない多動性の症状が多くみられます。
それらが日常に悪影響を及ぼしており、その状態が半年以上持続していることを指します。

原因は解明されていませんが、大脳にある前頭前野の機能調節に偏りが生じていること、脳内の神経伝達物質が不足している結果と考えられており、遺伝的要因や周産期の問題、環境などが複雑に関連して症状に繋がるといわれています。
約5%のこどもがADHDと診断されており、女子よりも男子のほうが3〜5倍多いです。
ADHD患者への対応が適していないケースに、反抗的な態度を出す、学習の遅れ、精神的ストレスによりメンタルヘルスの異常をきたすことがあり、早期での処置が重要であるといえます。
治療は有効なプログラムを組むかが重要になってきますが、こどもと家族、医師、教師等の学校関係者、治療に携わる多くの人が連携して取り組む必要があります。さらに薬物療法もあり、行動改善に効果が見られます。

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